色止め~エポキシのお話

oda

2013年02月06日 18:08

自作ルアーの最終コーティングにはセルロースセメントを使ってます。




塗装面の色止めのために、当初使っていたのがスプレー缶タイプのセルロース。







使い勝手は・・・うーん(汗)





缶の説明書には『色止めには8〜10回塗り重ねること』と。

結構な回数なので大変です。

そして、その通りの工程を踏んでも色流れは起きます。



原因は色々あって、

塗装膜が厚い

塗料の乾燥不足

ドブ漬けするセルロースの侵食力(要は濃度)

などなど・・・



そもそもセルロースは、下の塗膜を溶かしながら一体化していく特徴があって、それが長所ですから。

スプレーしたセルロース塗膜を溶かし、更にその下の塗装部分を侵すことは想定内。



・・・にしても噴射回数を増やすとなると、大型プラグ2〜3本で缶は空っぽ(汗)

日数的にもコスト面でもボツです。





次に目をつけたのが2液性のエポキシ。

接着剤や充填材(パテ)として使われることが多いけど、実はコーティング剤としても優秀な化学製品なのです。

硬化時に嫌な臭いもしないし、何よりも揮発性溶剤を含んでいないということ。

セルロースやウレタンと違って、ラッカー系塗料(第1石油類、第2石油類を問わず)を侵すことが無いのです。



ちなみに、メーカーによって混合割合や硬化時間、透明・不透明、撹拌のコツ、当然価格にも違いがあります。



いくつか試してみて、失敗もありました。



良さそうだと思って購入した国産トー○ー製のエポキシ。

かなり玄人向けらしく、混合割合が微量でも狂うと永久に硬化しません(涙)

撹拌してから塗布するまでの静置時間や放置乾燥時の推奨気温もすごくシビア。

ちゃんと出来る人にはできるのでしょうが、僕は3回の失敗であきらめました(笑)




結局、落ち着いたのは百均のエポキシ(10分硬化型)。

安くて手軽で黄変もほとんど気にならないレベルです。



唯一の欠点は・・・



20cmクラスの大型プラグを1回で塗り終えられないこと(涙)



塗っていくうちにゲル化が始まってしまうため、2〜3回に分けて作業していました。

これはこれで、乾燥した部分を直接掴んで作業できたので、塗るのが楽ちん(笑)

でも、塗り分けた境界部分にできてしまう凹凸が気にいらない・・・



サンドペーパー→セルロどぶ漬け

という作業を繰り返して誤魔化して仕上げてたけど、完全硬化したエポキシを研磨するのはなかなか辛い。



思い切って、多少値が張っても作業のはかどるエポキシを購入することに♪







システムスリー社のSB−112


カヌーやサーフボードの製作者の方々が愛用しているようです。

同社にはシステムスリーエポキシやシルバーチップなど、用途に応じて様々な特性をもった製品があります。

中でも最も黄変しにくいとのことで、これを採用♪





これでようやく筆塗り一発コーティングができる☆





急いで塗る前に、まずは作業環境を整えなきゃ!



手頃な木材を用意してっと・・・







ポッパー1本分が採れそうだけど、今回はそうじゃなくて、適当にカットします。

コの字型に貼り合わせて、ビスで固定して、ヒートンをねじ込んで・・・







完成♪

エポキシを手に付着させることなく、スムーズに筆塗りできます。



もちろんバイスに固定して塗ってもOK。

でも、個人的にはこちらの方が手に持って作業できるのではかどります。







横に置いたり逆さまに置いたりすることで、『垂れ』をコントロールできるのがポイント☆

これは先人の知恵を拝借しました。

ルアー職人の先輩方に感謝です!




準備が整ったところで、ようやく塗り塗りタイム♪



主材:硬化剤=2:1

の割合で混合、そして爪楊枝で撹拌。

計量には子供用シロップ薬に付いてくる、目盛り付きカップを使いました。



これでもか!と丁寧に混ぜ合わせて1分ほど静置。



そして筆でまんべんなく塗ります。

自作のルアーハンガーのおかげでスムーズに塗ることができました。



購入したSB-112の作業可能時間(ゲル化開始時間)は約30分。

暖かい居間で作業したこともあり、2本分を塗り終える頃にはゲル化が始まりました。

ちょうど良い感じ。





翌日。

硬化の目安である36時間経過を待ちきれずに、指でそぉっと触ってみると・・・



表面がベタベタ(汗)

これまでの経験から、永久に硬化しないパターンのにおいがします(泣)




落ち込む前に、説明書を熟読します。

たくさんのユーザーがいるんだから、扱いにくい訳がありません。



以下の特徴をつかむことができました。


・寒い場所への薬品保管するのはNG。結晶化が起こり、硬化不良の原因になる。

・寒い場所での作業もNG。硬化不良の原因になる。

・薬品が冷えて結晶化が起こった場合は温めてから使うべし。容器ごと50℃程度のお湯につけるのが良い。

・塗ったあとも、暖かい場所で乾燥させるべし。室温が高いに越したことはない。温度が高いほど化学反応が促進されて早く硬化する。
 




以上のどれかが該当するだけで硬化不良が起こる『可能性』があるとのことです。

ちなみに、僕の作業は暖かい場所で作業しただけ。

結晶化が起こったかどうかは分からないけど、塗った後寒い部屋に放置したことが原因だと思います。




さっそく、すべての条件をクリアーして再挑戦しました。

ただし、新たなルアーではなく、表面ベタベタの失敗作で(笑)





翌日。

ベタつくことなく、ちゃんと硬化していました♪

念のため、2~3日経ってからセルロースどぶ漬けに移行しようと思います。



複数回塗って、エポキシコーティングのみで仕上げるのもアリです。

僕の場合は、諸々の準備や筆の洗浄が面倒なので1回だけ(笑)





今回エポキシを購入したのは、島根県のヒロウッデンカヌーショップというお店。

店長の永瀬氏による丁寧な説明がHPに掲載されています。

参考にしたのはサイト内にある『エポキシのブログ』。

様々な工作・作業に使えるエポキシ樹脂。

その可能性は無限大!←大袈裟?(笑)でも本当にすごい!

興味のある方はぜひチェックしてみてください!










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